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離乳食を始める前に知っておきたい! 食物アレルギーの基礎知識

日本人の3人に1人が何らかのアレルギーを持っているといわれ、特にここ15年くらいの間に急増していることも明らかになっています。

 
離乳食を始める前に
 
現代病のひとつにもなっているアレルギーにはさまざまな症状があります。
なかでも食べ物が原因となって、かゆみ、湿疹、下痢、咳などの症状が起こる「食物アレルギー」は、1歳未満の乳児で最も多く発症するといわれていますので、これから離乳食を始めようと思っている第一子育児中のママさんには不安も多いことでしょう。
 
そこで、すでに離乳食を始めている先輩ママさんたちに「離乳食で気をつけていた点はどんなことですか?」と質問してみたところ……、
 

・アレルギーの心配が少ない食材から始めた
・食材そのものの味を教える意味で、味つけは控えめにしている
・初めて食べさせる食材は、必ずひと口だけ与えるように注意していた
・何かあった時にすぐに病院に行けるよう、初めての食材は午前中に食べさせていた
・食べることへの興味が増すように、彩り豊かになるよう配慮した
・細菌が心配なはちみつ、生卵、生魚は、口に入らないように気をつけていた

 
など、ママさんならではの配慮に満ちたポイントが挙げられました。
 
また、「離乳食の知識はどこから得ましたか?」という質問については、

・育児専門雑誌
・保健センターなど地域の施設の離乳食講習会
・離乳食指南の本
・インターネット etc

 
……といった声も多く聞かれました。
 
いずれも、みなさん入念かつ慎重に準備して離乳食を開始しているようですが、ここで食物アレルギーの基礎知識をおさらいしておきましょう。
 

3大アレルゲンと意外なアレルギー食品

3大アレルゲンと意外なアレルギー食品
 
アレルギーを起こしやすい食材の1位は「卵」、2位は「乳製品」、3位は「小麦」となっており、3大アレルゲンとも呼ばれます。※ここで言う「アレルゲン(ドイツ語:Allergen)」は、一般的にそのアレルギー症状を引き起こす原因となるものを指します。
 
1位にランクインした卵は、赤ちゃんにとって最もアレルギーが発症しやすい食材とされ、特に卵白はアレルギーリスクが高いので、離乳食は卵黄から食べさせるようにしましょう。
また小麦は、うどん・パスタ・パンなどを食べる機会や摂取量が増えているため、アレルギーを持つ赤ちゃんも増加傾向にあるようです。
さらなる傾向として、3歳児までのアレルゲンは卵と乳製品で全体の約6割を占めるといわれていますが、では他にどんなアレルゲンの代表的食材があるのでしょうか。
【一例】大豆、ナッツ類、ごま、そば、山芋、魚介類など……。
 
ここで、ママさんが押さえておきたいポイントは、最近ではさまざまな食品にアレルギーが認められるようになったことです。
なかでも、子ども向け商品に多く含まれているりんご、バナナ、キウィフルーツ、ゼラチンなどについても、最近ではアレルギーが報告されていますので、これらの食材をひと口食べさせていつもと違う症状が出たら、何を食べさせた時にどんな症状が出たかを説明できるようしておくことが大切です。
そのためにも、食品表示を事前にチェックしておけば、何かあったときにも安心ですね。
 
とはいえ、食物アレルギーの多くは1歳前後に発症し、成長とともに治りやすく、そのうち9割は小学校入学時までには自然に治ると考えられています。もし「アレルギーかな?」と思っても慌てずに、適切に対処することがとても大切なのです。
 
離乳食を始める際の3つのポイント!
 

離乳食を始める際の3つのポイント!

ママさんのアンケートでも挙げられていましたが、離乳食にはアレルギー対策の面で大事なポイントが3つあります。
 

<ポイント1> 1回に1種類

アレルギー症状が出た時に原因が特定しやすいよう、初めて口にするものは1回の食事で1種類、ひと口の量で様子をみましょう。変わった様子がなければ徐々に増やしていきましょう。
 

<ポイント2> 加熱

タンパク質である卵や乳製品はアレルギーの原因になることが多いので、赤ちゃんに食べさせる時には必ず加熱を! 加えて、1回の量は少なめにして間隔をあけて与えるようにしてくださいね。あわせて、他の食材についても、食中毒予防の観点から加熱することが望ましいといえるでしょう。
 

<ポイント3> 午前中に

アレルギー症状の多くは食後1~2時間以内に現れます。何かあった時、すぐに病院を受診できるよう、アレルゲンになりうる食材は午前中に食べさせるようにしましょう。
 
アレルギーを発症しないために、アレルゲンになりうる食材を避けて離乳食を作るべき……という考え方がある一方、少しずつ食べることで体を慣らしていくという考え方や、離乳食の開始時期を遅らせるなど、現段階では専門家によって意見が分かれています。
アレルギーは怖いけれど、離乳食の時期にいろいろな食体験をするのも大切なことですので、自己判断で特定の食材を避けることはせず、気になることがあれば健診や地域の保健センター、かかりつけ医に相談しましょう。
 
「アレルギー症状かな?」と思ったら…
 

「アレルギー症状かな?」と思ったら……

食物アレルギーには、かゆみ・じん麻疹などの皮膚症状、息苦しい・咳などの呼吸症状、下痢・嘔吐などの消化器症状がありますが、どんな症状か……、どの程度か……は人によって異なります。そして、もし食後に何らかの症状がみられたとしても、アレルギーと決めつけてしまうのは望ましくない判断です。
 
例えば、急にむせて咳込んだとしても、口に入れた量が少し多かっただけということもありますし、首元に赤い発疹ができたとしても、スタイでかぶれただけということも考えられるからです。また、口元だけが真っ赤になった時も、トマトなどの食材が原因でさっと口元を拭けばおさまることもあります。
 
まずは赤ちゃんの様子をよく観察し、いつもと明らかに違って「機嫌が悪い」「嘔吐した」「見たことのない発疹ができている」などの症状がみられたら、医療機関で受診しましょう。そして初めて口にした食材は必ず医師に伝えるようにしてください。
アレルギー症状だと判明した場合も、何をどの程度避ければいいのか、いつごろまで控えるのかなどは医師と相談のうえ、決めていきましょう。
 
【参考】厚生労働省「食物アレルギー」、ベネッセ「教育情報サイト」

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