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2025年07月07日

3歳のお子さん向け|お箸・ハサミ練習を楽しく!雨の日のおうちでできる指先遊び

お子さんが3歳頃になると、「そろそろお箸やハサミを使わせてみようかな?」と考えるご家庭も多いかと思います。一方で、「どうやって教えたら良いのだろう?」と悩む方もいるかもしれませんね。この時期は、指先がぐんと器用になり、様々な遊びができるようになるので、指先の運動能力を育む大切なチャンスです。
今回は、作業療法士資格を持つ私が、おうちで楽しく取り組める、洗濯ばさみを使った指先遊びをご紹介します。楽しく手指の動きを促すことは、大きくなった時にお箸やハサミなど、道具を上手に使いこなすための土台作りとなります。

動物に変身!洗濯ばさみ遊び

可愛らしい動物の顔が描かれた厚紙に、洗濯ばさみを挟んで耳や手足に見立てる遊びです。
今回は、ウサギとゾウ、カメ、タコを用意してみました。

このように、洗濯ばさみをつまんで挟んでいきます。

普段あまり触ることのない洗濯ばさみを渡すだけでも子どもは興味津々ですが、最終的に可愛い作品ができあがる達成感も加わり、夢中になって取り組んでくれますよ。

★ 作業療法士的ポイント!

洗濯ばさみを開く動作には、薬指・小指の2本を固定しながら親指・人差し指・中指の3本の指で物をつまむ「三指つまみ」と呼ばれる動作が必要です。

これは、まさにお箸の正しい持ち方や、ハサミの刃を開閉する際に必要な指の動きそのもの。この3本の指と、薬指・小指の2本を別々に動かす能力(指の分離運動)が育つことで、道具をうまく扱えるようになるのです。遊びの中で何度も繰り返すことで、物をつまむ感覚や、指に適切な力を入れる感覚が自然と身につきます。

また、片手で台紙を持って、もう片方の手で洗濯ばさみを扱う動きや、狙った場所に正確に洗濯ばさみを挟む動作は「目と手の協調性(視覚と運動の連動)」を高めます。

ウサギの耳など、小さな部分に挟むことで、指先で細かく位置を調整する能力が磨かれます。これは、お箸で小さな豆をつまんだり、ハサミで線を正確に切ったりする際に役立つスキルです。

ワイヤーネットで洗濯ばさみ遊び

100円ショップなどでも手軽に買える格子状のワイヤーネットの横軸に、色とりどりのシールを貼ります。そして、そのシールの色と同じ色の洗濯ばさみを挟んでいく遊びです。

こちらは、先ほどの台紙に洗濯ばさみを挟む動作とは、また違った手の動きを促すことができます。

★ 作業療法士的ポイント!

この遊びは、特に「手首・前腕の動き」と「空間を把握する力」を育みます。
壁に立てかけたワイヤーネットに洗濯ばさみを挟む動作を行うことで、前腕をひねる動き(回内・回外)が自然と促されます。この「ひねり」の動きは、絵を描く時に鉛筆をコントロールしたり、お箸で食べ物を口に運んだりする際に、手首をスムーズに返す動作に直結します。普段の生活では意識しにくい動きですが、指先の器用さを高める上では重要な動きです。

さらに、網のどこにどの色のシールがあるかを確認し、手元の洗濯ばさみの色と合わせることで、空間認知能力や集中力が養われます。これは、パズルや文字の認識など、今後の学習の基礎にもつながるものです。

実際にやってみると分かりますが、3歳児にとっては、結構指の力が必要です。
1~2歳でもできる指先を使った遊びは、こちらの記事でご紹介しています。ぜひごらんく

【関連記事】1~2歳からできる!指先を使った製作遊び~ぶどうの壁面飾り~ | smiletreeproject

遊びをサポートするポイント

これらの洗濯ばさみを使った遊びは、お子さんが楽しく取り組めることが一番大切。
作業療法士として、保護者の皆さんにお伝えしたいサポートのポイントは次の3つです。

▶︎ 強制せず、「やりたい!」を全力で応援しよう!

遊びは、お子さんにとって最大の学びの場です。しかし、「やらされ感」があると効果は半減…。「もうやりたくない!」なんてことになりかねません。
お子さん自身が興味を持ち、夢中になれるように「一緒にやってみない?」「これ面白いね!」と誘いかけ、自発的な「やりたい!」を引き出しましょう。
我が家の3歳の息子は、後半になってくると「だんだん手が疲れてきた」と言って中断することもありました。そんなときには、またお子さんがやりたいと言い出すまで無理強いしないことが大切です。

▶︎ 「できた!」を具体的に褒め、小さな進歩を逃さない!

最後まで取り組めたことや挑戦する姿勢など、小さな進歩にも目を向けて具体的に褒めてあげましょう。「全部完成して嬉しいね」「このウサギの耳、ちゃんとここに挟めてすごいね!」など、具体的な言葉で伝えることで、お子さんの自信と意欲をグンと高められます。初めは、最後まで取り組む集中力がなかったお子さんでも、徐々に集中できる時間が長くなってきます。「最後までできたね!」と声かけをしてあげると、お子さんの自信につながります。

▶︎ 安全に配慮してステップアップしよう!

指先を使うことにも慣れてきて、ハサミを使う遊びに移行する際は、必ず大人がそばで見守り、正しい使い方や危険な使い方を教えてあげましょう。もし、遊びの中で気になる動きや、お子さんの発達で不安な点があれば、一人で抱え込まず、専門家に相談することも大切です。

まとめ

今回ご紹介した洗濯ばさみ遊びは、手軽でありながら、3歳児の指先の巧緻性や協調性を効果的に育むことができるものです。遊びを通して、お子さんが自信を持って道具を使えるようになるための土台を、ぜひ一緒に築いていきましょう!

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